コムデギャルソンオムプリュス 2021春夏「メタルアウトロー」

COMME des GARÇONS HOMME PLUS
2021 SS

Metal Outlaw

メタルアウトロー

IN REVIEW / 2021 SS

メディアの反応

銀色で表す内面の強さ

銀色の仕立てを未来的な鎧というより、内側から発する強さの表現として捉えています。伝統的な形を曲げながらも着る人を置き去りにせず、困難な時期に楽観を届ける服だと評しています。

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メタルのアウトロー

「メタルアウトロー」をテーマに、これまでも多用してきたメタルの創造性を探り直したミニショーを紹介しています。鏡のように光りながらキルティングで柔らかさを持たせたボックスショルダーのジャケット、縞鋼板のプリントとストライプを粗いステッチでつないだ服、鮮やかな色のセットアップの一部を飾るひび割れたような銀色を挙げ、最後の黒のセットアップにも触れています。

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CONTENTS

アルベルト・ビタール / Alberto Biter

2021春夏コムデギャルソンオムプリュスのショーで使われた「DORIS」はアルベルト・ビタールの生まれ故郷であるブラジル・ベレンの街を撮影したもの。 フィルム写真と映像を組み合わせた独特の詩的な表現が特徴。 音楽はオリジナルで従兄弟のレオ・ビタール(Leo Bitar)が作曲している。

経歴

1970年ブラジルのベレン生まれ。アマゾン大学ウナマ校で経営学を専攻。 1991年より写真家として活動しはじめ、アーティスト活動とともにジャーナリストとして、パラ州の新聞社Diáriodo Paraの写真編集者を務める。

2012年 第30回サンパウロ国際ビエンナーレ作品展示。

2015年 第10回メルコスールビエンナーレ 「Mensagens de uma nova América」に招待。

2016年 回顧展を開催

ビタールの作品は、サンパウロ近代美術館のほか国内多数の美術館で収蔵されている。

ナイキエアカーニヴァー/NIKE AIR CARNIVORE

1993年にシューレースのないモデルとして発表された。当時のスニーカー=紐で固定するというイメージを壊した挑戦的かつ現在のソックス型スニーカーのパイオニア的存在。

カーニヴァーは食虫植物を意味し、そこからサンプリングされた独特のカラーリングが当モデルのアイコンとなっている。

コムデギャルソンオムプリュスのコラボレーションはそのカラーリングという視点からも壊した白黒展開。他ブランドとのコラボを許していないモデルで、ヒールに大きくロゴを配したスペシャルなアイテムとなっている。

ジョージコックス アシンメトリカルレースクリーパー/GEORGE COX ASYMMETRICAL LACE CREEPER

既存のジョージコックスには存在しないオムプリュスの完全オリジナル。また、これまでのモデルとは違い、タンが無く紐を解くと履き口が大きく広がり着脱がしやすい。

2005年春夏「ピンクパンサー」 2007年春夏「ゴールデンボーイ」 2009年春夏「ブラックイズベスト」 2018年秋冬「ホワイトショック」

色のイメージは記憶に残りやすいと聞いたことがある。

初めてコレクションを目にしたとき、「シルバー」という安直な答えが過った。 今回もその類かと思っていた。

このブランドにおいて答えはひとつではない。 初めから答えは用意されていないかもしれない。

鋼鉄の意志

消毒、検温はもちろん、フェイスシールドまで配布する。厳重な感じはこの時代をある意味で象徴していた。その物々しさもショーが始まると、いつも通りであった。パリコレが東京で行われているだけのことなのだ。

次々とMETALがランウェイに現れる。素材感は光とともに流れていく。その映像と光がMETALを溶かし出して流れていくようにさえ見えてくる。映像 (ブラジルのフォトジャーナリスト、アルベルト・ビタール(Alberto Bitar)がブラジルの街を映し出したものでコムデギャルソン特別編でもあった)をパリと錯覚するのは、ここがパリでないことへの郷愁かもしれない。

METALは近未来感かもしれない。だが、それ以上に力強く、頑強な構造物のように身を固めるものでもあるのだ。この時代に勇気を与えてくれる「硬い」金属のイメージを身に纏う。

得意技で見せる。世界の状況からも、こんなシンプルなことがどれだけ勇気が必要で、どれだけ苦悩を要したことだろう。

妄想でしかないが、「やり続けてきたショーをやるだけ。これしかできない」という意志がコムデギャルソンの前向きな姿勢とともに伝わってくる。 「METALのように強く生きるのよ、そうすればきっとうまくいく。明日をもっと強く生きよう」とこの時代に向けて言われている気がした。

どんな圧力にも負けない強さ 私が内装デザインに多く使用するメタル素材は、表現したいことを大変良く助けてくれる素材です。 今回、服にその強さを取り入れたいと考えました。メタルそのものを使うわけではなく、強さ、重量感、様々な光沢を表現できる素材を用いこのテーマをまとめました。 メタルの強さ、どんな圧力にも負けない強さに、今直面する難題を乗り越え、希望を生む強さを重ねたコレクションになれば良いと思います。 川久保玲

その勇姿は光の鎧を纏う

8月29日青山本店のエントランス全面を使って、2021年春夏のコムデギャルソンオムプリュス の撮影が行われた。

コレクションのテーマはMETAL OUTLAW。

閉塞された状況に孤高のように光と影のコントラストに浮かんでいった。真っ青な空、ギラギラとした太陽が後ろから刺すように照らしてくる。工事の白い仮囲いとアスファルトの道路には、木の影が踊り、その中をモデルたちがゆっくりと歩き始めると、一緒に光の粒も飛び回る。

METAL OUTLAWと名付けたれたコムデギャルソンオムプリュスのガーメントはシルバーが印象的なルックで、太陽の光の下で水銀のような輝きを放っている。

メタルシルバーが合体されたあざやかなグリーン、ブルー、イエローのセットアップ、3人で向き合う姿は秘密基地で作戦を立てる少年たちのようでありながら、混迷の時代を立ち向かおうとする精悍さが漂っている。苛烈な陽の下に出ると、彼らは光を支配し、夏の暑さまでも我がものにしている。

コムデギャルソン青山店のウィンドウには石膏のトルソーが置かれている。まるで転がる石のような音楽のようなコレクションのメッセージに花を添えて。

メゾンの新たな挑戦がはじまる。

“強さ”がテーマの服を着たモデルが今ここにいる。ガラスには彼らが反射し、静寂なでも狂気を孕んで灼熱の空気の中で放たれる輝きが一層際立つ。いつしか彼らは横断歩道を進む。その勇姿は光の鎧を纏い、戦士のように向かっていくように思える。その歩み、どんな国難も力にそして希望に変えようという川久保玲のメッセージと共にある。

出典: PLEASE