今や著名人が着用したことで有名になったコムデギャルソン×ルイスレザー。
袖や後見頃のペイントがSNSなどでアップされていますが、アイテムの定価やサイズ展開など、その詳細は情報を表に出さないブランドの体質から、多く知られてはいません。
そんな「コムデギャルソン×ルイスレザー」に対する疑問を、この記事では、共通する基礎知識と、それぞれのアイテムが持つ特徴(ディティール)の2つに分けて全型詳しく解説していきます。
この記事でわかる(できる)こと
- 現在販売されている「コムデギャルソン×ルイスレザー」全型のモデル名や定価、サイズ展開などの情報が手に入ります
- 今回紹介するアイテムの比較表で、欲しいライダースジャケットが絞り込めます
- コムデギャルソンのモノづくりに対する姿勢や、既成概念を壊す価値観が身に付きます
1-1 ルイスレザー (Lewis Leathers) とは?
3-3 スーパーファントム (SUPER PHANTOM) No.443
3-4 ウエスタンジャケット (WESTERN JKT) No.988
4-1 ライトニング タイトフィット “WHITE SLEEVE PAINT”
4-2 ライトニング タイトフィット “COLOUR SLEEVE PAINT”
4-3 ライトニング タイトフィット “LIVE FREE DIE STRONG COMME des GARCONS”
4-4 ライトニング タイトフィット “LIVE FREE DIE STRONG COMME des GARCONS” ホワイト
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コムデギャルソン × ルイスレザーの基礎知識
各アイテム説明に移る前に、コムデギャルソン×ルイスレザーの基礎とされる、全アイテムに共通している情報をお伝えしていきたいと思います。
ルイスレザー (Lewis Leathers) とは?
ルイスレザーとは、イギリスで最も古いオートバイ衣料品ブランド。1892年にデビッド=アイザックスによりロンドンで創設されました。
オートバイ衣料品のみならず、航空服の製造も手掛け、第一次、第二次世界大戦のイギリス空軍の戦闘機パイロット用の衣服を製造。その他、オランダ、インド、ベルギー、南アフリカ、ギリシャ政府から外注を受けるなど、当時からその質の良さがお墨付きであったことを証明しています。
今日でもその名残があり、航空服レーベルを意味するAviakit(アヴィアキット)[直訳:航空キット]のタグがコムデギャルソン×ルイスレザーにも付属します。
これらの歴史的な背景が、コムデギャルソンがルイスレザーを選ぶ(コラボする)理由だと考えられます。
同じライダースブランドとして、アメリカのSchott(ショット)やVANSON(バンソン)があげられますが、縦長のシルエットひとつをとっても、アメリカブランドのボックス型とは異なり、イギリスが生み出した唯一無二のレザーブランドと言えます。
コムデギャルソン × ルイスレザーは青山店限定
上記のタグ画像からおわかりの方もいらっしゃると思いますが、コムデギャルソン×ルイスレザーは、青山オリジナルラインから展開されています。
青山オリジナルの中でも、バッグに関しては、他路面店などでも展開ありますが、ルイスレザーに関しては、完全に青山店限定のアイテムになっています。
青山オリジナルブランドや青山バッグに関しては、詳しく説明した記事がありますので、こちらをご覧ください。
※青山オリジナルラインは通販不可となっています
気になるサイズ展開は…?
コムデギャルソン×ルイスレザーのサイズは全ラインナップで共通しています。UKウェアのサイズ表記になるので詳しく説明していきます。
ルイスレザーサイズ表記
- 32 (レディース XS-S 相当)
- 34 (レディース M 相当)
- 36 (レディース L メンズXS 相当)
- 38 (メンズ S 相当)
- 40 (メンズ M 相当)
- 42 (メンズ L 相当)
- 44 (メンズ XL 相当)
()内はコムデギャルソン(レディースコレクションライン)、コムデギャルソンオムプリュス(メンズコレクションライン)のジャケットと比較した参考サイズ。
基本的に上記7サイズ展開になりますが、32、42、44に関しては入荷少ない印象です。
試着時のサイズについて
試着した時、どこでサイズを見ればいいのか…。というのがライダースジャケットに多い問題です。
ライダースジャケットはその名の通り、バイカー用に作られた洋服で、バイクにまたがって前傾姿勢でハンドルを握ったときを想定して袖の長さを決めています。なので、普段の衣服より袖丈が長くとられているのが特徴です。
そして、レザーの場合、針穴が開いている(開いてしまう)ので縫い直し出来きず、原則として袖丈詰めなどのお直しも出来ません。
体系によってサイズの見方は異なりますが、優先順位として袖丈があったものを選ぶというのは間違いないと思います。
特に、ルイスレザーのモデルでカウハイドレザー(生後2年以上のメス牛の革)を使用したものは、柔らかくしなやかで経年により伸びるので、購入時は苦しいくらいがベストだと思います。
コムデギャルソン × ルイスレザーのディティールは?
ディティールについては、大きく2つに分けて説明します。
1. ルイスレザー特有のディティール
CLIX(クリックス)ジップ
戦後、イギリスのモーターサイクルブランドで多く使われていたクリックスジップ。現在では、クリックス=ルイスレザーと言われるくらい蜜月関係にあります。
基本的にルイスレザーのライダースでこの「CLIX」の引手が使われるのはセンターファスナー。
袖先ファスナーには「L」の引手。ウエスト部分のファスナーには「ボールチェーン」が付きます。
裏地(ライニング)
クリックスジップもそうですが、ルイスレザーにおいて欠かせないもうひとつのディティールが裏地のレッドキルティングです。
通常の裏地で使われるキルティングより、中綿がしっかりと入っており、重量感のあるレザーをしっかりと受け止め、肌へのクッションとなります。
素材も目の細かいポリエステル65%、コットン45%が使用されているので、中にニットなど厚手のインナーを着ても、袖通しがスムーズです。
2. コムデギャルソン × ルイスレザー 特有のディティール
ヴィンテージ加工
コムデギャルソン×ルイスレザーを説明する上で、この2ブランドコラボレーションにしかないディティールのひとつがヴィンテージ加工です。
今回、紹介するライダースジャケット全10型のうち5型でこのディティールが採用されています。
イギリスのルイスレザー工場で、手作業で加工されている為、表情がすべて異なります。
2012年秋冬に初めてコムデギャルソン×ルイスレザーが発売されましたが、当時のものは現在の製品より強い加工が施されているのが特徴です。
ペイント加工
上記写真のようにコラボレーションのシンボルになっているのが、ペイント加工です。
こちらも、今回紹介する全10型のうち5型でこのディティールが採用されています。
このペイントは、ルイスレザー工場の人が書き上げ、店頭に並ぶ完全な製品に仕上げた状態でコムデギャルソン側に納品されるようです。
ペイントは基本的に、袖(手の甲部分)と後見頃の2個所に施されます。
5つのモデルと2つのシルエット
モデル
コムデギャルソン×ルイスレザーで使われている5つのモデルを紹介します。
ライトニング (LIGHTNING) No.391
1958年に誕生した歴史あるモデルです。
スティーヴ=ジョーンズやジョニー=ロットンなど、
ルイスレザーのライダース=
コムデギャルソン×ルイスレザーでも全9型のうち4型でこの形を
サイクロン (CYCLONE) No.441
1973年に登場したモデルです。
前見頃にスランティングポケット(斜めポケット)、
コムデギャルソン×ルイスレザーでは素材使いでさらにスペシャル
スーパーファントム (SUPER PHANTOM) No.443
1975年にラインナップされたモデルです。
バイクレーシングスタイルと実用性を兼ね備えた、
ルイスレザーでは珍しいスタンドカラー(マンダリンカラー)で、
ウエスタンジャケット (WESTERN JKT) No.988
ウエスタンジャケットは1968年にカジュアルレンジのウェアとしてリリースされました。
デザインソースはリーバイス3rdと推測されており、フロントがスナップボタン式で着脱がスムーズです。
ルイスレザーの中でも夏場用に開発された希少モデルになっています。
トライデント(TRIDENT) No.111
No.111のトライデントは、ハイウェイマン(Highwayman)というルイスレザーのファクトリーブランドから掘り起こされたモデルです。
1967年に生まれたこのモデルは、取り外し式のビブ[直訳:よだれかけ]がデザインの特徴となっています。
ビブは、高速で走行中にセンタージップからの風の侵入を防ぐために開発され、取り外した際の3本のジップもトライデントの魅力とも言えます。
シルエット
コムデギャルソン×ルイスレザーで使われているシルエットはタイトフィットとレギュラーフィットの2パターンです。
タイトフィット
ライダースジャケットが生まれた当時は、バイカーが着る洋服としてのイメージでしたが、近年、街着として定着したことで開発されたシルエットがタイトフィットです。
現在、ルイスレザー生産数の8割がタイトフィットになっており、主流になりつつあるシルエットになります。
従来のものより、肩幅と身幅が狭く、袖も細くなっているのが特徴です。
普段着として着用されたい方、細くタイトなシルエットが出したい方におすすめです。
レギュラーフィット
ルイスレザーのライダースジャケットが誕生した当時から大切にされてきた伝統のあるシルエットがレギュラーフィットです。
タイトフィットに比べ、全体的にルーズなシルエットなのが特徴です。
肩や腕などが筋肉質な方、大き目なシルエットがお好きな方、歴史やトラディショナルな形がお好きな方におすすめです。
2つのシルエット比較
【タイトフィットサイズ表】
サイズ | 胸囲 (cm) |
肩幅 (cm) |
着丈 (cm) |
袖丈 (cm) |
裾まわり (cm) |
32 | 90 | 41 | 62.5 | 64 | 84 |
34 | 95 | 42 | 63.5 | 64.5 | 89 |
36 | 100 | 43 | 64 | 65.5 | 94.5 |
38 | 104 | 44.5 | 64.5 | 66 | 99 |
40 | 110 | 46 | 65 | 66.5 | 104 |
42 | 115 | 47.5 | 65.5 | 67 | 108 |
44 | 120 | 49 | 66 | 67.5 | 113 |
【レギュラーフィットサイズ表】
サイズ | 胸囲 (cm) |
肩幅 (cm) |
着丈 (cm) |
袖丈 (cm) |
裾まわり (cm) |
32 | 91 | 43.5 | 63.5 | 63 | 84 |
34 | 96 | 44.5 | 64.5 | 63.5 | 89 |
36 | 101 | 45.5 | 64.5 | 64 | 93 |
38 | 106 | 47 | 65 | 64.5 | 98 |
40 | 111 | 48 | 65.5 | 65.5 | 103 |
42 | 116 | 50 | 66 | 66 | 108 |
44 | 121 | 51.5 | 66.5 | 67 | 113 |
上記画像とサイズ表は、同モデルのライトニングで比較したものです。
特に肩幅に関してはレギュラーフィットの方が大きいことがわかります。
全型の定価と解説【コムデギャルソン × ルイスレザー】
ライトニング (LIGHTNING) タイトフィット No.391T “WHITE SLEEVE PAINT”
モデル | ライトニング タイトフィット No.391T |
特別なディティール | 袖ペイント / 袖 素材切替 色切替 |
素材 | 身頃|牛革 (カウハイド) 100% 袖|馬革 (ホースハイド) 100% |
色展開 | ブラック / ホワイト |
定価 | ¥250,000+税 |
備考 | 2022年8月に発売された新作アイテム。 コムデギャルソンコラボレーションにしかない袖が異素材で切替されいるのが特徴。 |
ライトニング (LIGHTNING) タイトフィット No.391T “COLOUR SLEEVE PAINT”
モデル | ライトニング タイトフィット No.391T |
特別なディティール | 袖ペイント / 袖 同素材 色切替 |
素材 | 牛革 (カウハイド) 100% |
色展開 | ブラック / ブルー ブラック / レッド 【2色展開】 |
定価 | ¥250,000+税 |
備考 | 2021年8月に発売された新作アイテム。 コムデギャルソンコラボレーションにしかない袖が同素材で色切替されいるのが特徴。 |
ライトニング (LIGHTNING) タイトフィット No.391T “LIVE FREE DIE STRONG COMME des GARCONS”
モデル | ライトニング タイトフィット No.391T |
特別なディティール | 袖、後見頃ペイント / ヴィンテージ加工 |
素材 | 牛革 (カウハイド) 100% |
色展開 | ブラック / レッド |
定価 | ¥250,000+税 |
備考 | 入荷したら即完売するアイテム |
ライトニング (LIGHTNING) タイトフィット No.391T “LIVE FREE DIE STRONG COMME des GARCONS” ホワイト
モデル | ライトニング タイトフィット No.391T |
特別なディティール | 袖、後見頃ペイント |
素材 | 馬革 100% |
色展開 | ホワイトのみ |
定価 | ¥250,000+税 |
備考 | コムデギャルソン×ルイスレザーにしかない限定色 |
ライトニング (LIGHTNING) タイトフィット No.391T “COMME des GARCONS FOREVER”
モデル | ライトニング タイトフィット No.391T |
特別なディティール | 袖、後見頃ペイント / ヴィンテージ加工 |
素材 | 牛革 (カウハイド) 100% |
色展開 | ブラック / レッド |
定価 | ¥250,000+税 |
備考 | 入荷したら即完売するアイテム |
ライトニング (LIGHTNING) タイトフィット No.391T ワッペン
モデル | ライトニング タイトフィット No.391T |
特別なディティール | ヴィンテージ加工 / ワッペンデザイン |
素材 | 牛革 (カウハイド) 100% |
色展開 | ブラックのみ |
定価 | ¥255,000+税 |
備考 | コムデギャルソンとルイスレザー2ブランドのワッペンを使用した特別なデザイン |
ライトニング (LIGHTNING) タイトフィット No.391T クレイジーパターン
モデル | ライトニング タイトフィット No.391T |
特別なディティール | クレイジーパターン (パターン色切替) |
素材 | 羊革 100% |
色展開 | 画像色のみ |
定価 | ¥230,000+税 |
ライトニング ロングレングス (LIGHTNING LONG LENGTH)
モデル | ライトニング ロングレングス |
素材 | 馬革 100% |
色展開 | ブラックのみ |
定価 | ¥320,000+税 |
備考 | ライトニングをベースに、形そのものを当コラボのために作ったコムデギャルソン×ルイスレザーの中でも特別な一着。 |
サイクロン (CYCLONE) タイトフィット No.441
モデル | サイクロン タイトフィット No.441 |
特別なディティール | 身頃の素材切替 |
素材 | ベース|牛革100% / 身頃|馬革100% |
色展開 | ブラック / ブルー |
定価 | ¥260,000+税 |
スーパーファントム (SUPER PHANTOM) レギュラーフィット No.443
モデル | スーパーファントム レギュラーフィット No.443 |
特別なディティール | 袖ペイント / ヴィンテージ加工 |
素材 | 牛革 (カウハイド) 100% |
色展開 | ブラックのみ |
定価 | ¥250,000+税 |
ウエスタンジャケット (WESTERN JKT) レギュラーフィット No.988
モデル | ウエスタンジャケット レギュラーフィット No.988 |
特別なディティール | 袖ペイント |
素材 | 馬革 100% |
色展開 | ブラックのみ |
定価 | ¥230,000+税 |
トライデント (TRIDENT) タイトフィット No.111T
モデル | トライデント タイトフィット No.111T |
特別なディティール | 袖ペイント / ヴィンテージ加工 |
素材 | 馬革 100% |
色展開 | ブラックのみ |
定価 | ¥260,000+税 |
全型の比較とまとめ【コムデギャルソン × ルイスレザー】
以上がコムデギャルソン×ルイスレザー全10型の紹介になります。
モデルによって素材が異なっていたり、コラボ特有のディティールが使い分けられていたりと「ルイスレザーのライダース」という大切な部分は残しつつも、コムデギャルソンの前向きなデザイン(チャレンジの精神)が全面に出たコラボレーションだと思います。
中には入荷後、即完売になるアイテムもありますが、店に行く前に電話で在庫を問い合わせるのも良いと思います。
青山店 東京都港区南青山5-2-1 (11:00-20:00) 03-3406-3951
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